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中性脂肪とは? 役割や基準値、平均値についてわかりやすく解説
2023/07/20
中性脂肪とは?
中性脂肪は、食物中に含まれる脂質であり、体脂肪の大部分を占める物質でもあります。いわゆる「脂肪」のことで、トリグリセリドとも呼ばれます。
血液検査の結果などに記載されている中性脂肪の値は、血中の中性脂肪の量を示します。
中性脂肪は人にとって大切なエネルギー源ですが、摂りすぎると体脂肪として蓄えられ肥満につながるなど、体に良くない影響をおよぼすこともあります。
そのため、中性脂肪の数値は多すぎても少なすぎても好ましくないといえます。
中性脂肪の役割
中性脂肪は、人や動物が活動するための大切なエネルギー源となる物質です。生命を維持するためのエネルギー源には、主にブドウ糖が使われます。中性脂肪はその補助として使われ、体内にエネルギーを蓄える働きをしています。
中性脂肪の基準値
日本人間ドック協会による中性脂肪(トリグリセリド)の基準値は、30〜149mg/dLとなっています(将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲)。基準範囲内であることが望ましく、高すぎも低すぎもよくないと言えます。
※基準値の出典:日本人間ドック学会:検査表の見方「血液検査」
採血前の食事は中性脂肪値に影響するの?
採血前に食事をすると、中性脂肪の数値に影響を与えることがあるので注意が必要です。基準値は空腹時の値のため、採血前に食事をした場合、値は正確ではなくなってしまいます。
検査するときは、一般的に前日夜から翌朝まで食事をとらず、空腹の状態で行います。病院からの指示を守りましょう。
中性脂肪の性別・年齢別の平均値は?
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、中性脂肪の性別・年齢別の平均値は以下のとおりです。
全体 | 20-29歳 | 30-39歳 | 40-49歳 | 50-59歳 | 60-69歳 | 70歳以上 | |
男性 | 153.7 | 127.5 | 171.3 | 178.6 | 163.8 | 152.8 | 143.0 |
女性 | 128.0 | 109.1 | 97.2 | 107.4 | 128.8 | 153.2 | 136.5 |
※単位:mg/dL
※調査年次:2019年
※コレステロールまたは中性脂肪を下げる薬の使用者を含まない
出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査(令和元年)」-「血清中性脂肪(トリグリセライド)値の平均値及び標準偏差 – 年齢階級別,人数,平均値,標準偏差 – 男性・女性,20歳以上〔コレステロールを下げる薬又は中性脂肪(トリグリセライド)を下げる薬の使用者除外〕
基準値の範囲内であっても高めの方は、この機会に食生活などの生活習慣を振り返ってみるとよいかもしれません。
中性脂肪に影響しやすい生活習慣
食習慣が乱れがちな人
生活習慣のなかでも、食生活が乱れていたり、食事が偏ったりするなどの食習慣にまつわるものは、中性脂肪の数値に影響しやすいものです。
また、夜中に食事をとることが多い人も、注意が必要です。夜は体をあまり動かさないので、エネルギー消費量が少なくなり、食べたものが中性脂肪になりやすいと言われています。
運動をほとんどしない人
脂質や糖質は人が活動するエネルギー源として必要ですが、日ごろ運動をほとんどしない人は、活動で消費するエネルギーよりも食事から摂取したエネルギーのほうが多くなりがちで、中性脂肪の値が高くなることがあるため注意が必要です。
中性脂肪を意識した生活習慣とは?
食生活を整える
主食、主菜、副菜をそろえて1日3食バランス良く食べることが大切です。脂質も体にとっては欠かせない栄養素ですが、摂りすぎるとカロリーオーバーになりがちです。
油の質にも気をつけて、飽和脂肪酸よりも植物や魚の脂に多く含まれる不飽和脂肪酸、中でも青魚などに多く含まれるオメガ3(DHAやEPAなど)も取り入れるように心がけましょう。
また、糖質の摂りすぎも、肥満や中性脂肪が高めとなる原因です。一方で、糖質は人間が活動するためのエネルギー源でもあるので、極端な糖質制限や糖質オフは避け、摂りすぎに注意するように心がけましょう。
運動する習慣をつける
中性脂肪が基準値内であっても高めの人は、運動によって体に余分なエネルギー源を溜め込まない習慣をつけましょう。ウォーキングや軽いジョギング、エアロバイクなど、取り入れやすく続けやすいものがおすすめです。
運動のための時間を確保するのが難しい、運動が苦手…という人は、「エスカレーターやエレベーターではなく階段を使う」「通勤のときに1駅分歩く」など、生活のなかでできることを見つけてみてはいかがでしょうか。
中性脂肪の役割や基準値、平均値(厚生労働省「国民健康・栄養調査」に基づく)などについて解説しました。血液検査の結果などで中性脂肪が基準値内でも高めな方や気になる方は、ぜひ食生活の見直しや適度な運動を取り入れましょう。
これまでの生活習慣を変えることは、すぐには難しいかもしれません。これからも健康な体で過ごすためにも、じっくりと腰を据えて取り組んでみてください。