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むくみの原因とは?正しい予防・対処方法を解説
2021/07/20
むくみとはどういう状態?
むくみはなぜ起こるのでしょうか。人間の体は約60%が水分でできています。その水分のうち、3分の2が細胞の中に、残りの3分の1は細胞の外に存在します。細胞の外に存在する水分は、4分の1は血管内に、残りの4分の3は細胞と細胞の間に分布しています。細胞と細胞の間に分布する水分は細胞間液と呼ばれます。
細胞間液は、動脈側の毛細血管からしみ出して、90%は静脈側の毛細血管に、10%はリンパ管に回収されて、また体の循環に戻ります。ところが、何らかの原因でこの流れがとどこおると、細胞間液が細胞と細胞の間にたまります。これがむくみです。むくみは、全身に起こるものと体の一部に起こるものがあります。
むくみはどういう原因で起こる?
むくみの原因として、体質やホルモンバランスの影響、生活習慣など、さまざまなものが考えられています。どのような生活習慣がむくみを招くのでしょうか? 立ちっぱなしまたは座りっぱなしなど長時間同じ姿勢を続けたり、運動不足によって筋力が低下したりすることでむくみが生じます。
むくみは脚に多く生じるのは、私たちは普段立って生活しているので、細胞間液が重力の関係で下の方に溜まりやすくなるためです。こうしたむくみのカギになるのが、ふくらはぎの筋肉です。
血液は、心臓から動脈を通じて全身に送られて、静脈を通じて心臓に戻ってきます。全身から血液を心臓のほうに送る際に重要なのが、ふくらはぎの筋肉です。ふくらはぎの筋肉が縮んだり広がったりすることで、静脈を圧迫してポンプのように血液を押し上げて心臓の方向に流すのです。これを筋ポンプ作用といいます。
そして、筋力が弱まると筋ポンプ作用も低下。心臓への血流が停滞するため細胞間液がたまりやすくなります。
筋ポンプ作用の強さについてもう少し詳しく説明すると、足首への静脈圧をみるとわかりやすいかもしれません。立っているときにかかる静脈圧は120cmH2O(約88mmHg)で、足を動かすと40cmH2O(約29mmHg)まで、およそ3分の1に低下するとされています。筋ポンプ作用は足が地面についていない場合も働かないため、むくむことがあります。
こうしたことから、むくみが生じやすいのは、比較的筋肉の少ない女性や、身体を動かす機会が少ない高齢者になります。また、腸に便がたまっていると静脈が圧迫されるため、特に左側のむくみが生じることがあります。
むくみを促すものとして、ストレスや肥満もあります。肥満は心臓に負担がかかります。加えて、呼吸が浅くなったり、運動量が低下して筋ポンプ作用が不足したり、脂肪が静脈を圧迫することで静脈の流れがとどこおってむくみます。また、脂肪は細胞間液の移動をさまたげるため、リンパ液がたまりやすくなります。
では、飲酒でむくむのはなぜでしょうか? お酒を飲むと、尿量を減らすホルモンの分泌が減るため尿が増えて、脱水傾向になります。脱水傾向になると水を飲みたくなり、水分を摂取して体内の水分量が増えます。同時に、動脈側の毛細血管は飲酒をすると水分がもれやすくなる性質があります。その結果、細胞間液が増えてむくみが生じます。また、塩分を摂りすぎると身体に水分をため込もうとする作用が働くため、結果として細胞間液も増加してむくみを引き起こします。
予防方法
むくみを予防するためにどのようなことを心がけたらよいのでしょうか? まず、長時間同じ姿勢を続けないことです。それから、アルコールや塩分を適量にとどめましょう。肥満の人は、減量が勧められます。ふくらはぎの筋力をアップすると、むくみを予防することが期待できます。
水分摂取を控えることでむくみを予防できるのでしょうか? ヒトの体にある体液を調節するシステムは血管内の水分量は感知できますが、むくみは感知できません。そのため、水分を制限してもむくみを予防することはできません。
解消方法
むくんでしまった場合は、できれば足を心臓より高くしましょう。そのほか、ぬるめのお風呂にゆっくりつかったり、足浴や下肢のオイルマッサージを行ったりしてもよいでしょう。
足の筋肉を動かすことで、下半身の血液を心臓に送り返すことができます。ふくらはぎの運動を2つご紹介します。1つ目は、その場で足踏みをします。できれば歩いてください。静脈の血行をうながすことで血液循環が改善します。2つ目は、いすに深く腰掛け、足を延ばしてつま先を上下させます。こうすることで、ふくらはぎの血液の流れが促進されます。スピードに変化をつけてもよいでしょう。
私たちは立って生活する以上、むくみが出現してしまうことがあります。むくみが強くなると、「見た目」にも影響を与えますし、心臓などの大切な臓器に負担をかけてしまうことも少なくありません。正しい予防法や解消法を知って日常生活に取り込んで、うまく乗り切りたいですね。