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コレステロールのことを考えた食事とは?気をつけたいポイントを解説
2023/02/24
コレステロールについて知ろう
コレステロールは、人間の体内にある脂質で、身体を維持していくために不可欠なものです。細胞膜、ホルモン、胆汁酸などを作る材料になります。
コレステロールには、大きくLDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)があります。
LDLコレステロールには、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きがあります。一方HDLコレステロールには、血液中の余分なコレステロールを回収して、肝臓に運ぶ働きがあります。
コレステロールの基準値
日本人間ドック学会によると、LDLコレステロールの基準範囲(注)は60~119mg/dLです。120~179mg/dLで要注意、59mg/dL以下または180mg/dL以上で異常値とされています。
数値が高くなると、LDLコレステロールが血管に溜まり、身体へのリスクが高まります。
HDLコレステロールの基準範囲(注)は40mg/dL以上です。35~39mg/dLで要注意、34mg/dL以下で異常値とされています。血液中の余分なLDLコレステロールを回収する役割を担うため、数値が低いと身体へのリスクが高まります。
non-HDLコレステロールは、総コレステロールからHDLコレステロールの値を引いたもので、LDLコレステロールだけでなく、それ以外のコレステロールも含めて血管へのリスクを総合的に評価できる指標です。
non-HDLコレステロールの基準範囲(注)は90〜149 mg/dLです。150〜209mg/dLで要注意、89mg/dL以下、または210mg/dL以上で異常値とされていて、身体へのリスクが高いとされています。
注:将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲
※基準値の出典:日本人間ドック学会:検査表の見方「血液検査」
血中脂質の種類について
血中脂質とは血液中の脂質のことで、主に中性脂肪とコレステロールを指します。
血中脂質のうち、中性脂肪(トリグリセリド)とは、いわゆる脂肪のことです。食事から摂った栄養素は体内でエネルギーとして消費されますが、消費されずにあまったものが、肝臓で中性脂肪に合成されます。
中性脂肪は身体にとって必要なエネルギー源ですが、一方、あまった中性脂肪は体脂肪となり、肥満をもたらす原因となります。
通常は、血液中のLDLコレステロールとHDLコレステロールは一定量に保たれていますが、中性脂肪が過剰になると、LDLコレステロールが増加し、HDLコレステロールが減少します。
採血前の食事はコレステロール値に影響するの?
コレステロール値は採血直前の食事には影響されず、LDLコレステロールもHDLコレステロールも、採血の値にはあまり変化を及ぼさないとされています。
一方、同じ血中脂質である中性脂肪(トリグリセリド)は、採血前の食事の影響を受けやすく、食後は中性脂肪(トリグリセリド)値は上がります。食後すぐだけでなく、前日の夜遅くまで食事をしたり、アルコールを摂取したりすると、コレステロール値が低く、中性脂肪(トリグリセリド)値が高くなることがあります。
正確な値がでないため、検査時には、前日から高脂肪だったり高カロリーだったりする食事や飲酒は控えることが大切です。
脂質検査の採血は、通常10時間以上の絶食後に行います。
コレステロール値で気をつけたい食べ物
コレステロール値を上げる食べ物には、飽和脂肪酸を多く含むもの、コレステロールを多く含むもの、トランス脂肪酸を多く含むものなどがあります。これらの食べ物に気をつけて、コレステロール値が上がらないよう、バランスよく食事を摂ることを心がけましょう。
飽和脂肪酸を多く含むもの
飽和脂肪酸は、バターやショートニングなどの油脂類、クッキーやスナック菓子、チョコレート、ラクトアイスなどのお菓子類に多く含まれます。また、パーム油などの調理油にも飽和脂肪酸が多く含まれます。
飽和脂肪酸を多く含む食品は、コレステロール値を上げることにつながるため、摂り過ぎには気をつけたいものです。
18歳以上の成人の飽和脂肪酸の目標量は、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、総摂取エネルギーの7%相当以下とされています。しかしながら、20歳以上の日本人の飽和脂肪酸の平均摂取量は、総摂取エネルギーの8%を超えているというデータも報告されています。現代人の飽和脂肪酸の摂取量は増加しており、摂り過ぎる傾向にあります。
コレステロールを多く含むもの
コレステロールを多く含むものには、牛乳や、バター、生クリームといった乳製品、肉、ラード、臓物類(レバーやモツなど)、ベーコン、卵類(鶏卵や魚卵など)、マヨネーズといった動物性脂肪が挙げられます。
これらのバターや生クリームなどを多く含む食品は、パンやデザート、他にもさまざまなところで使われています。気が付かないうちに、いつの間にか摂り過ぎてしまいがちです。
また、コレステロールを多く含む動物性食品には、飽和脂肪酸も多く含まれています。同時に両方を摂り過ぎてしまうことにもつながるため、摂り過ぎには注意しましょう。
食品を選ぶ時には、栄養成分表示を見て、どんな成分が含まれているのか確認する習慣をつけるのもおすすめです。
トランス脂肪酸を多く含むもの
トランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸の一つです。不飽和脂肪酸にはシス型とトランス型があり、天然の不飽和脂肪酸の多くはシス型ですが、動物性食品には微量ですが天然のトランス型の不飽和脂肪酸(トランス脂肪酸)が含まれています。また、油脂を加工する過程で水素添加をすると、トランス脂肪酸を生じることがあります。
平均的な日本人よりトランス脂肪酸を多く摂取する諸外国の研究報告によれば、トランス脂肪酸を日常的に多く摂りすぎると健康に影響があると考えられています。
水素添加によって作られたマーガリンやショートニング、それらを使用したパン、クッキーやケーキ、スナック菓子などのお菓子には、トランス脂肪酸が多く含まれます。サラダ油などの精製した植物油にも含まれるため、それらを使った食品にもトランス脂肪酸が含まれています。また、マーガリンなどの製品では、トランス脂肪酸を減らす代わりに飽和脂肪酸が増えているものもあります。
クッキーやスナック菓子などの嗜好品を日常的によく食べる人は、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の両方を摂り過ぎてしまうことがあります。摂り過ぎないように気をつけましょう。
コレステロール値が気になる方の食事のポイント
コレステロール値が気になる方は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らして、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす食事を意識して摂りましょう。
きのこや海藻などの食物繊維の多い食べ物や、魚類や大豆製品、植物油などの不飽和脂肪酸が多く含まれる食べ物もおすすめです。
油で炒めたり揚げたりするのではなく、蒸し料理や煮物など、調理方法に一工夫加えてみるのもよいですね。
食物繊維の多い食べ物を摂ろう
食物繊維は、きのこ類や海藻、玄米や麦ご飯などの穀類、豆類、野菜類、果物などに多く含まれます。食物繊維には、胆汁酸が便を通じて排出されるのを促し、血中コレステロール値を下げる作用があります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、一日あたりの目標量は、18~64歳の男性で21g以上、女性で18g以上となっています。
しかしながら、現代は食物繊維の摂取量が減少傾向にあり、平均摂取量(令和元年国民健康・栄養調査報告)では目標量に届いておらず、不足しがちです。
現代の食生活の中で目標量を摂るためには、日頃から意識しておく必要がありそうです。毎日の食事に積極的に食物繊維を取り入れてみましょう。
不飽和脂肪酸が多く含まれる食べ物を摂取しよう
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む食品やお菓子類などは適度な量に控えて、不飽和脂肪酸が多く含まれる食べ物を摂取するよう心がけましょう。
不飽和脂肪酸には、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らす作用があります。
アジ、サンマといった魚類には、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が多く含まれています。
また、オリーブオイルやココナッツオイル、パーム油やコーン油、大豆油などの植物油にも不飽和脂肪酸が多く含まれています。生のままドレッシングなどで摂取しましょう。他に、大豆や大豆製品にも不飽和脂肪酸が多く含まれています。
肉類が多いなと感じる食生活の方は、肉類の回数を減らして、魚類や大豆・大豆製品を食事に取り入れる工夫もおすすめです。
食べ過ぎに気をつけよう
血液中のコレステロールには、肝臓で作られたものと食事から摂取したものとがあります。
食事から摂取したコレステロールは、小腸で吸収されます。コレステロールや飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の多い食事を食べ過ぎると、小腸からの吸収が増え、コレステロール値が上がってしまいます。
健康のためには適正体重を維持することが大切ですが、そのためには、食事からの摂取エネルギー量と身体活動による消費のバランスが重要です。
食べ過ぎは、身体が必要とする以上のエネルギーを摂取することにつながるため、気をつけましょう。
調理方法を蒸す・煮るをメインにしてみよう
コレステロールを摂り過ぎないためには、油で炒めたり揚げたりする代わりに、蒸したり煮たりして、油を使わない調理方法を工夫してみましょう。
油を使用する揚げ物や炒め物は、知らず知らずのうちに飽和脂肪酸を過剰に摂取してしまいがちです。
まとめ
コレステロール値が気になる方は、コレステロールを始め、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を摂り過ぎないことが大切です。
食物繊維や不和飽和脂肪酸を多く含む食品を上手に取り入れて、バランスのよい食事を心がけましょう。