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どこからが飲み過ぎ?楽しくお酒を飲むには
2021/10/18
アルコールを分解する力には個人差がある
お酒を飲んでも顔色が変わらず、楽しく過ごせる人もいれば、すぐに赤くなって足元がおぼつかなくなったり、気分が悪くなったりする人もいるなど、アルコールに対する反応は人によってさまざまです。なぜこのような反応の違いが出るのでしょう。それには、ヒトの体に備わっている、アルコールを分解する能力(代謝能力)の違いが関わっていると考えられます。
摂取したアルコールは胃や小腸で吸収され、その後、速やかに分解が始まっていきます。このアルコールを分解するスピードが速ければ酔いにくい、つまりお酒に強い人、スピードが遅ければ体内にとどまったアルコールの影響を受けやすい、つまりお酒に弱い人ということができます。アルコール代謝能力には個人差があり、それは生まれつきの体質によって決まっています。
日本人はアルコールに弱い体質の人が多い
アルコール代謝能力の違いは、人種間でもあります。日本人を含むアジア人は、欧米人と比較するとアルコールにあまり強くない体質の人が多く、日本人においては約半数がお酒に弱い体質であるといわれています。
比較的お酒に強い人が多く、男性の69.2%、女性の51.4%が飲酒をするヨーロッパ地域では、1人あたりの年間のアルコール消費量は約9.8リットルです。一方、日本を含む東南アジア地域の消費量は、その半分以下の約4.5リットル。飲酒をしている人の割合も、男性で44.5%、女性では21.3%と、世界の平均よりも少なくなっています(※)。
こうしたアルコール消費量の差も、日本人がお酒にあまり強くないことを表しているといえるでしょう。
(※参考:令和3年3月 酒のしおり|国税庁課税部 酒税課・輸出促進室 p6 https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2021/pdf/000.pdf )
アルコールが肝臓に与える影響とは
お酒を飲んで楽しくなったり、リラックスしたりといったポジティブな影響がある一方、お酒が進み過ぎると体調に影響が生じることがあります。とくに、胃や小腸から吸収されたアルコールが通過する臓器である肝臓には大きな負担がかかることも。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、多少のことではSOSを出さない臓器です。そのため、お酒を飲む習慣のある人は定期的に血液検査を受けるなどして、肝臓を気にかけてあげましょう。
あなたは飲み過ぎ?飲み過ぎ度チェック
「ついお酒を飲んでしまう」という人は、飲み過ぎが気になりますよね。以下の項目を確認して、飲み過ぎ度をチェックしてみましょう。
□休肝日は週に1日以下
□1日平均の飲酒量が2ドリンク(※)を超える
□飲酒の回数自体は少ないが、一度に大量に飲んでしまう
□空腹時に飲酒することが多い
□顔や体が赤くなっても飲酒を続けることが多い
□寝酒をしがちだ
□ウイスキーやウォッカなどを薄めずに飲むことが多い
□酔って記憶をなくすことがある
□γ‐GTPの値が高い
チェックの数が多いほど、「飲み過ぎの傾向あり」といえます。体のことを考えると、チェックの数は少ないほうがベターです。ひとつずつ減らせるよう、できる範囲で気を付けていけるとよいですね。
※酒の種類ごとの「2ドリンク」の目安
・ビール・発泡酒(5%)=500mL(中ビン・ロング缶1本)
・チュウハイ(7%)=360mL
・焼酎(25%)=100mL
・日本酒(15%)=160mL(1合)
・ウィスキー・ジンなど(40%)=60mL(シングル2杯)
・ワイン(12%)=200mL(ワイングラス2杯弱)
(出典:飲酒量の単位 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-001.html)
健康を意識したお酒の飲み方とは?
健康的に楽しくお酒を飲むために、気を付けたいポイントをご紹介します。
飲酒は適量を
アルコールによる肝臓への影響は、飲酒の量が多いほど、また飲酒期間が長いほど生じやすいといわれています。1日の平均飲酒量がビールであれば500mlのロング缶1本、日本酒であれば1合程度など、先ほど紹介した2ドリンクを超えないよう、適量を心掛けましょう。
ゆっくりとしたペースで
お酒を飲むペースが速いと、血液中のアルコール濃度が急に高くなり、悪酔いの原因になることがあります。反対にゆっくりしたペースでお酒を飲むと、血液中のアルコール濃度の上昇が穏やかになります。
食べ物も一緒に
食べ物と一緒に飲酒をすると飲酒のペースがゆるやかになり、アルコールの吸収速度が抑えられます。また、タンパク質や脂質を含んだ食べ物はアルコールの吸収のペースをゆるめるほか、食べ物に含まれる水分が血液中のアルコール濃度を薄める役割を果たすなどのメリットもあります。
強い酒は薄めて飲む
アルコール度数の高いお酒は、少ない量で酔いがまわりやすく、酩酊感も強くなりがちで、急性アルコール中毒のリスクを高めてしまいます。また度数の高いアルコールが、のどや胃腸の粘膜にとっては強い刺激となることも。そのため、強いお酒は水で割ったり、氷を入れたりして、薄めて飲むことをおすすめします。
水と一緒に飲む
お酒と一緒に水を飲むことも、胃腸へのアルコールの刺激をやわらげることにつながります。お酒を飲んでからすぐに水を飲むと、アルコールの濃度が薄まるほか、お酒を飲むペースも少しゆっくりになるでしょう。
週に2日は休肝日をつくる
2ドリンクのアルコールを肝臓で分解するのに、個人差はありますが、平均して6~7時間かかるとされています。飲酒後の寝ている間にも、肝臓は黙々と働き、アルコールを分解しているのです。そのため、頑張って働いている肝臓を休ませるためにも、週に2日ほど「休肝日」を設けましょう。2~3日飲んだら1日休むといったペースでお酒を飲むと、肝臓をゆっくり休ませることが可能です。
長時間、飲み続けない
長い時間飲み続けると、どうしてもお酒の量が増えてしまいます。酒量の増加に伴って、アルコールの分解に必要な時間も長くなるため、翌日になってもアルコールを代謝しきれず、二日酔いになることもあるでしょう。楽しい時間は長く続いてほしいものですが、お酒はほどよいタイミングで切り上げることをおすすめします。
飲酒後の運動・入浴には要注意
お酒を飲んだ後、お風呂に入るとアルコールが抜けてスッキリするような気がするかもしれませんが、じつはこれは逆効果。血液中のアルコール濃度が高くなった状態で、運動や入浴といった血流を促す行動をすると、血液が筋肉にも分散されてしまい、アルコールの分解スピードが落ちて、お酒が抜けづらくなってしまうので要注意です。
また飲酒すると脱水状態にも陥りやすくなります。運動や入浴は、お酒を飲む前に済ませておきましょう。
お酒は楽しく飲むには、適量を守ることが大切です。アルコールの代謝能力には個人差があるため、自分にとってのアルコールの適量を把握して、飲み過ぎを防げるとよいですね。
また、飲酒の習慣がある人は健康診断なども定期的に受け、肝臓をはじめとした内臓の状態をチェックすることも忘れずに。 自分にとっての適量を守りつつ、週に数回、休肝日を設けるなどして、健康的な飲み方を心掛け、楽しくお酒とつき合っていきましょう。
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