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LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とは? 基準値と役割について解説
2023/02/21
LDL(悪玉)コレステロールとは?
LDL(悪玉)コレステロールの特徴
LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」とも呼ばれる、人間の体内にある脂質のひとつです。
コレステロールは細胞膜を構成する成分で、ホルモン、胆汁を作る原料にもなる、生きるために欠かせない物質です。2割程度が体の外から取り入れられますが、残りの8割程度は肝臓で作られており、その量は体内でうまく調節されています。
LDLコレステロールは、そのコレステロールを全身に運ぶ働きをしています。LDLコレステロールは、血液中の量が増えすぎると、血管壁に溜まってしまう性質をもっています。さらに、LDLコレステロールが酸化したものが血管に蓄積していくと、血管が細くなってしまい、体に良くない影響があるのです。
LDL(悪玉)コレステロールの基準値は?
日本人間ドック学会が掲げるLDLコレステロールの基準範囲は、60〜119mg/dlです(将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲)。また、120〜179mg/dlが要注意、59mg/dl以下と180mg/dl以上は異常とされています。
※基準値の出典:日本人間ドック学会:検査表の見方「血液検査」
HDL(善玉)コレステロールとLDL(悪玉)コレステロールの違いは?
HDLコレステロールとLDLコレステロールは、名前が似ていますがそれぞれ違った働きをもっています。コレステロールは人間の体内にある脂質(あぶら)のひとつで、生きるためには不可欠な物質です。そのままでは血液に溶けないため、HDLやLDLのような“乗り物”であるリポたんぱく質に乗って、血液を通して全身に運ばれます。
HDLコレステロールは、小腸などで作られるコレステロールで、血管の壁に付着したLDLコレステロールを回収して肝臓に戻す働きをしています。増えすぎたLDLコレステロールを抑制する働きがあるため、「善玉コレステロール」と呼ばれます。
LDLとHDLの関係を簡単にいえば、LDLは主に肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ「運搬」の役割を、HDLは余分なコレステロールを肝臓に戻す「回収」の役割をはたしているといえます。
LDL(悪玉)コレステロールは体にとって悪いもの?
「悪玉」という名前のイメージから、LDLコレステロールは体に悪いものと思うかもしれませんが、悪玉イコール悪というわけではありません。
LDLコレステロールはコレステロールを全身に届ける役割があり、体にとって必要なものです。増えすぎると健康に良くありませんが、基準値を下回るのも好ましくないのです。つまり、HDLコレステロールとLDLコレステロールのバランスがとれていることが大切です。
コレステロールと中性脂肪の関係
健康診断で行われる血液検査の脂質検査では、血液中の中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロールの数値について調べることが多いです。
コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁を作るための原料となります。いっぽう、中性脂肪は、脂肪組織に蓄えられてエネルギー貯蔵庫としての役割を果たしたり、皮下脂肪となって体温の保持や衝撃から体を守るクッションとして働きます。
中性脂肪が増えすぎると、LDLコレステロールが増加しやすく、HDLコレステロールは減少しやすくなることが分かっています。
血液検査の結果では、HDLコレステロール、LDLコレステロールとともに、中性脂肪の数値もチェックすると良いでしょう。
LDL(悪玉)コレステロールに影響を与える生活習慣とは?
食生活の乱れ
血中のコレステロールのうち、コレステロールを含む食品由来は2割程度といわれています。そのほかの8割程度は、脂質や糖質、タンパク質を原料として肝臓で合成されたものです。そのため、「コレステロールを多く含む食品」よりも「コレステロールを合成させる食品」が、コレステロール値によくない影響を与えているといえます。
特にコレステロールの合成を促す原因となるのが、飽和脂肪酸(肉類の脂身、鶏肉の皮、ラード、脂質の多い乳製品など)や、工業的につくられたトランス脂肪酸です。これらは現代の食生活では摂取過剰ぎみになりやすい食品です。飽和脂肪酸を多く含む食品の代表的なものに、牛や豚のバラ肉、鶏肉の皮、ラードを使った揚げ物、加工肉、バター、チーズ、ココナッツミルクがあげられます。トランス脂肪酸は菓子パンやケーキ、スナック菓子に使われています。また、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸(植物や魚の脂など)のバランスが崩れた食事によっても、血中のコレステロールが上昇することが知られています。
運動をしない
日頃から運動不足気味だと、エネルギーとして使われなかった脂肪が蓄積され、中性脂肪が増えていきます。中性脂肪はLDLコレステロールの合成を促すため、LDLコレステロールが高くなってしまうのです。さらに、運動不足によってHDLコレステロールが低値となってしまうため、それと連動してLDLコレステロールが高くなるともいわれています 。
LDL(悪玉)コレステロールが気になる方におすすめの習慣
食生活を見直そう
まずは食生活を見直しましょう。バランスのよい食事を摂ることを基本として、魚、大豆製品、海藻、野菜、果物、きのこなどを組み合わせて偏りがないように摂取するとよいでしょう。
また、高コレステロール食品や、脂質の摂りすぎには注意しましょう。飽和脂肪酸を多く含む動物性脂肪は控え、不飽和脂肪酸を多く含む食材を摂るように心がけましょう。食物繊維や、青魚などのEPA/DHAを多く含む食材は、コレステロールを抑えることができるので、おすすめです。
LDLコレステロールの酸化を防ぐためには、ビタミンC・E、β-カロテン、ポリフェノールなど、抗酸化作用のある栄養素を多く含む食品を摂ることもよいでしょう。
運動する習慣をつけよう
LDLコレステロールが気になる方は、ぜひ運動習慣をつけることをおすすめすします。
具体的には、1日30分以上の運動を、週3日以上は続けることが理想的です。時間を確保するのが難しい場合は、10分間を3回など、数回に分けて行っても問題ありません。
運動の強度は中強度以上が目安です。ウォーキングでいえば、通常かそれよりもやや速いスピードで歩きましょう。ウォーキングのほかにも、ラジオ体操、速歩(早歩き)、スロージョギング(歩くような速さのジョギング)、自転車なども取り入れやすく、おすすめです。
運動が苦手な方や、運動習慣がこれまでなかった人は、日常の生活活動のなかで体を動かすことを増やすことから始めてはいかがでしょうか。掃除や洗車、子どもと屋外で遊ぶ、自転車で買い物に行くなど、日常生活や家事のなかには、運動と同程度の効果が得られるものがたくさんあります。
少ない回数や短時間でもいいので、無理のない範囲でできることから始めましょう。大切なのは、体を動かすことを習慣にして、長く続けていくことです。
まとめ
LDLコレステロールの役割や基準値、中性脂肪との関係について解説しました。LDLコレステロールが気になる方は、食生活の見直しや運動習慣をつけることから始めてみてはいかがでしょうか? 無理なく続けられることから取り入れて、健やかな毎日を送りましょう。