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基礎代謝を上げる方法とは?太りにくく脂肪燃焼しやすい体を作ろう
2024/01/19
基礎代謝を上げることの重要性
消費するエネルギーの量、つまり基礎代謝量が高ければ、動かずじっとしていても体はどんどん代謝を行いエネルギーが必要になります。
自動車でいえば「燃費が悪い」状態ですが、太りにくい体づくりやダイエットにおいては基礎代謝量が高い状態は理想的です。特に食事制限や運動をしなくても、日常生活を送るだけで健康的に日々多くのエネルギーが消費されることになります。
食べ物から取り入れた摂取エネルギーが、消費エネルギーを超えない、つまり消費エネルギー優位の状態を保てば太りません。基礎代謝量が高ければベースとなる消費エネルギーが高くなるため、摂取エネルギー以内に抑えることが比較的容易なのです。
もし摂取エネルギーが足りなければ、体内の脂肪も使ってエネルギーがつくり出されます。つまり、ダイエットも効率的になるのです。
基礎代謝を上げる方法・食事編
ここからは基礎代謝を上げる具体的な方法を紹介していきます。まずは主に食事に関する内容を見ていきましょう。
●基礎代謝を上げる食事法①水を飲む
基礎代謝を上げるには、水を十分に飲むのがおすすめです。
体温が1℃上がるごとに代謝量は約13%増加するため、白湯を飲んで体が温まると、代謝の向上が期待できるのです。
加えて、水を飲むと循環血液量が増えて血行がよくなり、血流が筋肉へしっかりと送り込まれるため、筋肉量が増加しやすくなります。筋肉量の増加は基礎代謝を上げるために重要です。
水は1日にどれくらいとればよいか
1日の水の必要量は身体活動レベルによって異なります。身体活動レベルは厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準」にも使われている、その人の1日あたりの身体活動量を示す指標です。「低い(Ⅰ)」「ふつう(Ⅱ)」「高い(Ⅲ)」の3段階で示され、たとえば1日あまり動かない人は「低い」、運動習慣があるアクティブな人は「高い」に該当します。
さて、水の必要量ですが、身体活動レベルが低い人では1日2.3~2.5L程度、身体活動レベルが高い人では1日3.3~3.5L程度とされています。つまり、あまり動かない人でも500mLのペットボトル5本、よく動く人では7本程度必要ということです。ただしこれには飲み物だけでなく、食事から摂取する水分量(約1L程度)も含まれています。厚生労働省では「平均的には、普段飲む量に加えてコップの水をあと2杯追加して飲めば、一日に必要な水の量を概ね確保できる」と呼びかけています。
●基礎代謝を上げる食事法②代謝アップにつながる食材をとる
体が温まる食材やタンパク質の多く含まれる食材を食べると、代謝アップにつながります。
体を温めてくれる食材には次のようなものがあります。
・根菜類や暖色の野菜
例:ごぼう、たまねぎ、かぼちゃ、にんじんなど
・発酵させた茶葉で淹れるお茶
例:紅茶やウーロン茶など
・薬味や香辛料
例:生姜(しょうが)、にんにく、とうがらし、シナモンなど
・未精白のもの
例:全粒粉パン、玄米、未精白の砂糖など
基礎代謝を上げる近道は筋肉量を増やすことです。筋肉をつくるために重要な「タンパク質」が豊富に含まれた食材をとるようにしましょう。
良質なタンパク質(タンパク質の含有量が多く、利用率の高いもの)が多く含まれる食材としては、卵類・肉類(鶏肉・豚肉)・豆類(大豆製品)などがあげられます。これらの食材を毎日の食生活にバランスよく取り入れるとよいでしょう。
●基礎代謝を上げる食事法③腸内環境を整える
近年の研究で腸内環境がエネルギー代謝に影響を与えていることが明らかになってきています。基礎代謝を上げるためには、腸内環境を整える食事が重要です。
腸内環境とは、1,000種類100兆個ともいわれる腸内に生息する細菌(腸内細菌)がつくり出す環境をいい、多くの種類の細菌がバランスよく生息し、腸内が健康に保たれている状態が「よい環境」とされます。以前は「善玉菌」「悪玉菌」などに分けて説明されましたが、現在は多様な細菌がバランスよく存在している状態(腸内フローラ)が重要とされるようになりました。
腸内環境を整えるためには、生活習慣の改善も必要です。過労や睡眠不足は自律神経の変調をまねいて胃腸と腸内環境を乱します。
食生活では乳酸菌と食物繊維の摂取が重要になります。乳酸菌はヨーグルトや納豆、漬物などの発酵食品、食物繊維は根菜類や海藻類、きのこなどに含まれています。乳酸菌をとる際は、乳酸菌のエサとなるオリゴ糖も一緒にとるとよいでしょう。オリゴ糖は大豆、根菜、ブロッコリー、バナナなどに多く含まれています。
基礎代謝を上げる方法・運動編
続いては、運動に関連した基礎代謝を上げる方法を紹介します。
●基礎代謝を上げる運動法①筋トレ
基礎代謝を上げるには、筋肉量を増やす筋力トレーニングがおすすめです。無理のない適度な範囲で、まずは1日10~15回程度の筋トレを1~3セットから始めましょう。
筋肉が疲労したままの筋トレは避けるように注意します。一般的に、筋肉が疲労から回復する期間は筋肉の部位によって2~3日かかるといわれているため、筋トレは2、3日に1回ほどのペースを目安に行うのが有効です。
筋力アップには、ダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法と、スクワットや腕立て伏せのように自分の体重を利用して行う方法があります。
簡単に行えて、大きな筋肉が集まっている下半身を鍛えることができる「スクワット」はおすすめのメニューです。しゃがみ込んで立ち上がる動作を繰り返し行い、太ももの表・裏・お尻など下半身全体を鍛えるもので、基礎代謝を上げるトレーニングとして適当でしょう。
●基礎代謝を上げる運動法②ウォーキング、水泳などの有酸素運動
「有酸素運動」とは、筋肉を動かす際のエネルギー源として酸素が使われる、比較的負荷の軽い運動のことを指します。
一方で、短距離走などの短時間で強い負荷がかかる運動は、筋肉を動かすエネルギー源に酸素が使われないため、「無酸素運動」といいます。
有酸素運動には、エアロビクスやエアロバイク、踏み台を使ったステップエクササイズ、水泳やアクアウォーキング、ジョギング、ウォーキング、サイクリング、ハイキングなど様々な種目があります。運動不足の方は、日常的に続けられそうで、自分の好きと思える有酸素運動を実践してみましょう。
ただし、有酸素運動をがんばりすぎて一気に体重が減ると、脂肪量とともに筋肉量も減ってしまいます。筋肉量と一緒に基礎代謝量も低下しますので、急に過度な運動をすることは避けましょう。
ウォーキング、水泳などの有酸素運動
サッカー、バスケットボールといったスポーツ全般は有酸素運動と無酸素運動が組み合わさっています。また、有酸素運動と呼ばれる種目も一部は無酸素運動を含みます。
たとえば、同じ有酸素運動でも、ウォーキングより運動強度が高いジョギングのほうが無酸素運動の割合は高いです。無酸素運動時には疲労の原因物質である乳酸が出るため、無酸素運動の割合は疲労感に比例しています。
また、15分を3回などの短時間の細切れな有酸素運動でも体脂肪がエネルギー源として使われるようになるといわれています。普段の生活の中で空いた時間を活用し、こまめに有酸素運動をすることがおすすめです。
※【参考】「Diabetes Care」2013; 36: 3262-3268
●基礎代謝を上げる運動法③ストレッチ
ストレッチも代謝を上げるのに役立ちます。関節の柔軟性を高めるイメージがあるストレッチですが、同時に筋肉量を増やすこともできるのです。また、刺激が少ないため、怪我の予防やリハビリテーション、疲労回復にもよいといわれています。
ストレッチには、関節の動きが含まれる「動的ストレッチ」と関節の動きを含まない「静的ストレッチ」があります。
・動的ストレッチ:一定の方向に関節を動かして筋肉を繰り返し伸ばしたり縮めたりするストレッチ
・静的ストレッチ:一定方向にゆっくりと筋肉を伸ばしたままの状態でしばらく静止するストレッチ
ストレッチ(特に静的ストレッチ)は動きが少なく、ゆっくり行うために安全そうに思えますが、正しい方法で行わないと筋を傷めてしまうことがあります。我流ではなく、正しい方法を参照しながら、次の5つのポイントを押さえてストレッチをするようにしましょう。
<ストレッチのポイント>
①20秒以上かけて伸ばす
②伸ばす部位を意識する
③痛いと感じるほどには伸ばさない
④ストレッチ中に呼吸を止めないよう気をつける
⑤目的に合った適切な部位を選ぶ
基礎代謝が上がる仕組みとは?
冒頭で、代謝とは、栄養素を分解したり、分解した物質から別の物質をつくり出したりする生体内の化学反応と説明しました。代謝の目的は大きく、①体に必要な物質をつくること、②代謝の過程で生まれるエネルギーを得ることの2つに分かれます。
エネルギー代謝とは、簡単に説明すれば、3大栄養素である、①糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)、②脂質(脂肪)、③タンパク質(複数のアミノ酸が結合した化合物)を消化・吸収して体内でエネルギーをつくり出すことを目的とした代謝のことです。
つくり出されたエネルギーは、体を動かす、心臓を動かす、呼吸をする、体温を維持するなどの身体活動に使われます。主な臓器・組織別のエネルギー代謝(消費)量は表1の通りです。骨格筋、肝臓、脳での消費が多いことがわかるでしょう。
表1 全身およびおもな臓器・組織のエネルギー代謝
臓器・組織 | 重量 | エネルギー代謝量 | 比率 | |
---|---|---|---|---|
(kg) | (kcal/kg/日) | (kcal/日) | (%) | |
全身 | 70.0 | 24 | 1700 | 100 |
骨格筋 | 28.0 | 13 | 370 | 22 |
脂肪組織 | 15.0 | 4.5 | 70 | 4 |
肝臓 | 1.8 | 200 | 360 | 21 |
脳 | 1.8 | 240 | 340 | 20 |
心臓 | 0.33 | 440 | 145 | 9 |
腎臓 | 0.31 | 440 | 137 | 8 |
その他 | 23.16 | 12 | 277 | 16 |
体重70kgで、体脂肪率が約20%の男性を想定
【出典】Gallagher,D. et al 1998の表より作成
1日のエネルギー消費は、①基礎代謝(約60%)、②身体活動(約30%)、③食事誘発性熱産生(約10%)の3つに分類されます。
エネルギー消費量に占める基礎代謝の割合の大きさがわかるでしょう。
基礎代謝の上下に影響する要因
基礎代謝は、体格(筋肉と脂肪の比率)、年齢、性別、身体活動レベル、ホルモンなど、様々な要素によって変化します。表2に基礎代謝に影響する要因をまとめました。
表2 基礎代謝に影響する要因
体表面積 | 体表面からの放熱量が多いため、年齢・性別・体重が同じであっても、身長が高い人は基礎代謝が高い。 |
年齢 | 若いほうが成長などによって体内代謝が活発なため、基礎代謝が高い。 |
性別 | 男性のほうが、代謝が活発な組織(筋肉など)の量が多いため、女性よりも基礎代謝が高い。 |
体格 | 脂肪質の人に比べ、筋肉質の人は基礎代謝が高い。 |
体温 | 体温が1℃上がるごとに代謝量は13%増加するとされるため、体温が高い人のほうが基礎代謝は高い。 |
ホルモン | 甲状腺ホルモン・副腎髄質ホルモンの分泌量の多い人は、そうでない人と比べて体内代謝が活発で基礎代謝が高い。 |
季節 | 一般的に、基礎代謝は夏に低く、冬に高くなる。 |
月経 | 女性は女性ホルモンの分泌量の変化が体温に影響を及ぼす。月経開始2~3日前に基礎代謝量が最も高く、月経中に最も低くなる。 |
同じ年齢や性別、身長、体重でも基礎代謝の値が異なるのは、様々な要因が関係するためです。同じ人が測定しても、体の状態や気温といった外的な要因で値は変わります。
また、発達段階でも基礎代謝量は異なります。成長のために大量のエネルギーを必要とする子どもは体重あたりの基礎代謝量が高く、年齢を重ねるにつれて低下していきます。体重がほぼ大人に近づく10代が基礎代謝量のピークで(男性15~17歳:1,610kcal/日、女性12~14歳:1,410 kcal/日※)、その後は加齢に伴い減少していきます。
10代以降の加齢に伴う減少は、体重から脂肪を除く「除脂肪組織量」の減少によるところが大きいと考えられています。男性は50代以降、女性は20代で大きな減少がみられますが、こちらも皮下脂肪や内臓脂肪の増加に伴う除脂肪組織量の減少によるものでしょう。
自分の基礎代謝(推定値)を計算で知る方法
基礎代謝は、基礎代謝を測定できる専用の体重計で簡単に測ることができます。性別、年齢、身長、体重からおおよその計算もできますが、計算方法は複雑で、手計算では少々骨です。次のリンクから簡単に計算できるので、どうぞ試してみてください。
国立健康・栄養研究所の式を用いた基礎代謝量の推定
基礎代謝を上げる取り組みを始めてみましょう
基礎代謝を上げる重要性や方法がおわかりになりましたか?上げるまでには日々の積み重ねが大切になりますが、体型や脂肪が気になる方には魅力的でしょう。基礎代謝が上がれば、何もしなくても消費するエネルギー量が増え、食事制限や運動によるリターンも大きくなります。ぜひチャレンジしてみてください。