- ブランドから探す
- ブランド一覧
血液検査の結果の見方を解説!肝臓の健康状態をチェックするための、重要なポイントをご紹介します
2023/06/28
血液検査の項目にある肝機能と関係する指標
血液検査の項目に記載されている中で、肝機能と関係している指標は主に以下の3つです。
・γ-GTP‥タンパク質を分解する酵素の一種
・AST(GOT)‥心臓、筋肉、肝臓に多く存在する酵素
・ALT(GPT)‥肝臓に多く存在する酵素
肝機能と関連する各項目の意味とは
ここからは、「γ-GTP」「AST(GOT)」「ALT(GPT)」の基準値などについて説明します。
(基準値の出典:公益社団法人日本人間ドック学会-「検査表の見方」https://www.ningen-dock.jp/public/method)
①γ-GTP(ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)
γ-GTPは、タンパク質を分解する酵素の一種です。
一般的なγ-GTPの基準値として、健康とされる基準範囲は50U/L以下、51~100は要注意、101以上は異常となっています。
γ-GTPは肝臓や胆道に何らかの異常があるとき、あるいは飲酒量が多いとき(γ-GTPはアルコールに敏感に反応します)に数値が上昇します。γ-GTPの数値のみが高い場合は、飲酒量が多すぎて高くなったなどの可能性も考えられます。
また、肝臓で処理された老廃物などは胆管を通じて排泄されていきますが、何らかの原因によって胆道が詰まったりすることがあります。このような場合には、γ-GTPなどが逆流してしまうこととなり、血中濃度が上がってしまうことがあります。
最近では、飲酒とは関係なく、栄養過剰あるいは肥満が原因となり、γ-GTPが上昇するケースも存在しています。
②AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)
AST(GOT)は、心臓、筋肉、肝臓に多く存在する酵素です。
一般的なAST(GOT)の基準値として、健康とされる基準範囲は30U/L以下、31~50は要注意、51以上は異常となっています。
AST(GOT)の数値が基準範囲から外れている場合には、肝臓、心臓、骨格筋(骨についていて、身体を支えたり動かしたりする筋肉)などの細胞がダメージを受けている可能性があります。
ASTは上記の部位の細胞中に含まれている酵素なので、それらの細胞が壊れたときにASTは血液中に流れ出てくることになり、数値の上昇に繋がります。
ただしASTの値のみが高い場合には、心臓や筋肉に何らかの異常が生じている可能性も考えられます。
③ALT(アラニントランスアミナーゼ)
ALT(GPT)は肝臓に多く存在する酵素です。
一般的なALT(GPT)の基準値として、健康とされる基準範囲は30U/L以下、31~50は要注意、51以上は異常となっています。
ALTはASTと同じく肝臓の細胞中に含まれている酵素ですが、ASTとは異なり、ALTは肝臓以外にはほとんど存在していません。そのため、もし血液検査の結果でALTの数値が高かった場合は、肝臓の異常が疑われます。
体内では、肝臓の細胞が壊れた際にALTが血液の中に流れ出てくることで、高い数値が現れることとなります。
肝臓の数値の改善のためにできることとは?
血液検査を受けた結果、「基準値内ではあるものの、肝機能に関連する数値が少し高めで気になる」と悩まれている方もいらっしゃると思います。生活習慣を見直すことで、中長期的な数値の改善に向けた工夫をすることも可能です。(※異常値との指摘を受けた場合は、医療機関を受診してください)。
ここからは生活習慣の改善方法をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしていただければと思います。
特定の食品群に偏らないように、食品をバランスよく摂る
肝細胞が必要とする栄養素であるタンパク質を意識して摂りましょう。魚、卵、大豆のほか、肉の場合は脂身の少ない赤身肉や、ささみなどがおすすめです。良質でタンパク質が豊富な食品を摂り、脂肪・脂質の多い食品は少し控えめにすると良いでしょう。例えば、バターや食用油類の使い過ぎには注意が必要です。
ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜、果物、海藻なども摂るようにしましょう。肝臓がしっかり働くためには、ビタミンやミネラルのサポートが大切です。
アルコールは飲みすぎないように、適正飲酒量を超えないようにしましょう。
有酸素運動を中心に、適度な運動を行う
生活習慣の改善の一つとして運動もおすすめです。具体的には「中強度以上の有酸素運動を毎日、合計30分以上に行う」ことが目標として推奨されています。
中強度以上の有酸素運動とは「楽に行うことは少し難しく、ややきついと感じる程度で、息が弾む程度の運動」のことを言います。これだけでは少しイメージが湧きにくいかもしれませんので、以下にもう少し具体的な例をご紹介いたします。
・運動の種類
有酸素運動を中心としたもの、ウォーキングや早歩き、スイミングや水中歩行、スロージョギング(歩くような速さのジョギング)、サイクリング、ラジオ体操、段差の昇降運動(20cm程度の高さ)、社交ダンスなど、太ももやお尻など、大きな筋肉をダイナミックに動かすような身体活動全般が適しています。
・運動を行う時間や頻度など
1日の内、合計で30分以上の運動を毎日続けることが望ましいとされています。また、少なくとも1週間に3日は行うことがポイントです。1回で30分以上の運動を続けて行うことが難しい場合は、短時間の運動を何回かに分けて行い、合計の運動時間を30分以上にしても問題はありません。例えば、10分程度の運動を3回に分けてもよいとされています。
・運動を取り入れる具体例
毎日の生活の中で手軽に行える運動として、20分以上を一つの目安としたウォーキングはおすすめです。例えば、1駅程度の距離であれば電車やバスなどの公共機関を使わずに、徒歩で移動を行うようにする、エスカレーターやエレベーターを使っていたところを階段にするなど、生活の中で「乗り物で移動していた距離」を徒歩に替えるだけでも、ある程度の運動を行うことは可能です。
・運動を行う際の注意点
高齢の方、関節に痛みがある方などは、どの程度の運動なら行えるかあらかじめ主治医に確認するようにしましょう。いきなり体に負荷がかかるような運動をすることは避けて、無理なく続けられるように運動の種類や時間などを調整しながら継続をしていくことがとても大切です。
今回は、肝臓に関係する血液検査の項目「γ-GTP」「AST(GOT)」「ALT(GPT)」の意味と基準値、また数値を改善するためにできることについてお伝えしました。
健康診断で受ける血液検査の結果には、そのほかにもたくさんの項目があります。ほかの項目についても知っておけば、血液検査の結果からもっと多くのこと読み取れるようになります。そして血液検査の結果を踏まえて、健康に対する意識を高めることもできるでしょう。