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フレイルとは?食事と運動で健康をキープしよう
2021/04/13
「フレイル」「プレ・フレイル」とは?簡単セルフチェック
フレイルとは、年齢を重ねることによって心身が弱ってきた状態のことをいいます。そのままにすればやがて健康が失われ、介護が必要な状態へとつながっていくかもしれないピンチ。
でも、フレイルは日々の生活に気を配ることで予防、脱却できる可能性があります。またそのためにも早い段階、フレイルになる手前の「プレ・フレイル」に気がつくことも大事です。
まずは次の5つの質問に答えて、フレイルのセルフチェックをしてみましょう。
① ウォーキング等の運動を週に1回以上していますか? Yes→0点 No→1点
② 以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか? Yes→1点 No→0点
③ 6ヵ月間で2~3㎏以上の体重減少がありましたか? Yes→1点 No→0点
④ 5分前のことが思い出せますか? Yes→0点 No→1点
⑤ (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがありますか? Yes→1点 No→0点
点数をすべて足して、3点以上ならフレイル、1~2点ならプレ・フレイルの可能性があります。
(出典:国立研究開発法人国立長寿医療研究センター「簡易フレイルインデックス:Yamada M and Arai H: J Am Med Dir Assoc 16(11): 1002.e7–1002.e11, 2015」より)
フレイルの原因と予防。ポイントは運動・食事・社会
チェックリストにも「5分前のことが思い出せませすか?」という質問があったように、フレイルには体の状態だけでなく精神、心や脳の状態も大きく関わってくるのがポイントです。
たとえば加齢とともに足腰が弱ると、家にこもりがちになって社会から孤立しやすくなります。その結果、気持ちが沈んだり判断力が衰えたりすることにつながっていきます。また、動かないのでお腹がへらず、食事をおろそかにし、さらに筋力や気力が失われていく…といったように、多面的な問題が影響しあってフレイルの原因となるのです。
これを「フレイル・サイクル」といい、ドミノ倒しのように連鎖してどんどん健康な状態から心身が弱っていくことがあるので、注意が必要です。
ですからフレイルの予防には多面的なアプローチが有効です。特に大切なのは適度な運動とバランスの良い食事。そして仕事や趣味、ボランティアなどの社会参加もフレイルの予防に効果的であることが分かってきました。
フレイルを予防する「運動」。サルコペニアを防ぐために
何もしなければ、筋肉は30代くらいから落ちていきます。加齢によって筋肉が失われた状態を「サルコペニア」といい、進行すると立ち上がる、歩くといった日常動作も難しくなることがあります。
特に食事制限をしていないのに、年齢を重ねるにつれて体重が減少してきたという場合には、筋肉が衰えているサインかもしれません。
適度な運動はフレイル予防の第一歩。心がけたいのは、筋肉を減らさないようにすることです。目標は、1日40分元気に体を動かすこと(65歳以上。18~64歳は1日60分)。でもまずは、今よりも1日10分多く体を動かすことからはじめましょう。
「+10(プラステン):今より10分多く体を動かそう」。これは、厚生労働省が取りまとめた健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)の合言葉。1日60分の運動はハードルが高いかもしれませんが、10分ならチャレンジしやすく続けられそうです。
特別な運動を日課にせずとも、車での買い物を徒歩に変えるだけでもいいのです。床の拭き掃除をしたり、庭の草むしりをしたりといった家事も、足腰を鍛える立派な運動です。
ウォーキングもおすすめです。有酸素運動なので体脂肪を減らすのにも効果的。メタボリック・シンドロームの予防にもなります。家の外に出ることで気分転換になり、精神的、社会的フレイルを遠ざけることにもつながります。
ゆとりがあれば、筋力トレーニングにもチャレンジしてみませんか。 家の中でできる下半身の筋トレに、スクワットがあります。厚生労働省が運営するe-ヘルスネットには、椅子から立ち上がって座るという動作を繰り返す「椅子スクワット」が紹介されています。「膝への負担が小さく安全に効果的に足腰を鍛える」ことができるのでおすすめです。
出典:谷本道哉. 安全かつ効果的に「足腰を鍛える方法」. e-ヘルスネット
そのほか、立った状態で太腿を交互に上げ下げする腿あげ運動や、椅子に座った状態でつま先を上にあげる運動などは、家でテレビを見ながらでも行えます。
+10(プラステン)を合言葉に、ムリなく続けやすい運動を探してみてください。
フレイルを予防する「食事」。タンパク質をしっかり
食事もまた、フレイルの予防に欠かせないポイントです。最近、おいしく食事ができていますか?
お腹がすかないからと食事の回数が減っているとしたら、それは注意が必要なサインかもしれません。まずは1日3食、バランスよく食べることを意識してみてください。
食事の用意がおっくうに感じるときは、手作りにこだわらず、市販の惣菜や缶詰などを活用するのもコツです。宅配のお弁当を利用してもよいかもしれません。
筋肉を維持するためは、特にタンパク質をしっかりとることが大切です。
タンパク質と言うと肉や魚をイメージしがちですが、豆腐や納豆などの大豆製品、チーズやヨーグルトといった乳製品にもタンパク質が含まれています。こういった食品は調理不要で食べることもできるので、タンパク質が不足しているなと感じたときは献立に一品足したりメニューを置き換えたりすると良いでしょう。
合わせて、ビタミンDをとることも意識してみてください。カルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素で、いわし、サケ、サンマなどの魚類、きくらげ、干し椎茸などのキノコ類に豊富に含まれています。また紫外線を浴びることで体内でも作られるので、晴れた日に1日10~15分程度、屋外で過ごすことでも補うことができます。
噛みごたえのある食べ物をよく噛んで食べることで、噛む力をキープすることも大切です。そして食べた後はオーラルケアを。お口を健康に保つことも、フレイル予防の1歩です。
社会とのつながりもフレイル予防のカギ
もうひとつ、フレイル予防のカギとなるのが、社会とのつながりを意識して保つことです。誰かと話をしたり、外出したり、一緒に食事をしたりする機会が少なくなっていませんか?
短時間でも仕事をしたり、趣味やボランティアの活動をはじめたりすると、社会とのつながりが生まれます。自然と体を動かす時間が増え、食事や睡眠のリズムも整いやすくなるはず。
散歩やウォーキングのときにご近所に挨拶してみる、オンラインのイベントや講座に参加してみる、そんな行動も社会とつながる大事な1歩です。
加齢は誰にでも訪れますが、健康寿命をのばすために特別なことをする必要はありません。適度な運動、おいしい食事、社会とのつながり。まずは毎日を楽しく過ごすことから、フレイル予防をはじめましょう。