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マグネシウムとは?体での働きやその重要性、摂取できる食材をご紹介
2021/10/18
マグネシウムとは?
マグネシウムは原子番号12、元素記号Mgの金属元素の1つです。実用金属の中で1.7の比重を持つ最軽量の金属で、アルミニウム2.7、チタン4.5、亜鉛7.1、鉄7.9の比重であることからも、ほかの金属と比べても軽いことがわかります。
マグネシウムはリサイクルして再利用することも可能。工業利用としては、アルミニウム合金への添加材として使用されることが多いです。
製品としては、自動車部品、電子機器部品、福祉用品などさまざまなものに利用されています。
マグネシウムと人間の体との関係
このように工業利用されることが多いマグネシウムですが、実はマグネシウムは私たちの体に必要なミネラルの一種でもあり、体内でも重要な役割を担っています。
体内にどのくらい含有されているのか
マグネシウムは体内に多く含まれるミネラルの1つで、私たちの体を維持するために働く酵素系の補助因子です。
成人では体内に約20~30g存在しています。そのうち約60%は骨や歯、残りは筋肉や脳、神経にあります。
体内でどのように利用されているのか
マグネシウムはリンやカルシウムとともに歯や骨を形成したり、体の中でさまざまな代謝を助けたりしています。
マグネシウムが不足するとどうなる
体内でマグネシウムが不足すると、体調に変化が起こることがあります。それぞれを解説します。
体内でどのように利用されているのか
マグネシウムは300種類以上の酵素の活性化に関係していて、体の中では、以下のような働きにかかわる酵素の補助因子として働いています。
・筋肉の収縮
・神経情報の伝達
・体温の調整
・血圧の調整
・タンパク質の合成
・血糖コントロール
このようにマグネシウムは体の中で酵素の補助因子として働いており、生命維持のためにも大事なミネラルの1つであることがわかります。
マグネシウムの量と関連する体調の変化
体の機能維持のために欠かせないマグネシウムですが、マグネシウムが不足すると、以下のような不調が起こる可能性があります。
・骨の形成への影響
・筋肉のけいれん
・食欲不振
・疲れやだるさ
・下痢・便秘
血中のマグネシウムが不足すると、腎臓でマグネシウムの再吸収が促されたり、骨からマグネシウムを取り出して、マグネシウム量が一定になるように保とうとします。
骨の健康を保つにはカルシウムが欠かせません。このカルシウムはマグネシウムと密接に関わっており、マグネシウムは骨の強度を保つのに利用されています。血中のマグネシウムが不足すると、骨からマグネシウムを取り出すため、同時に、カルシウムも不足するのです。
日本人はマグネシウム不足って本当?
戦後以降の食文化の変化により、日本人はマグネシウム不足傾向にあります。ここではマグネシウムの推奨摂取量と不足しがちな理由を解説します。
推奨量に対して男女ともに不足気味
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」で示されている1日のマグネシウムの推奨量は、30~49歳の男性では370mgで、30~49歳の女性は290mgです。
しかし、同じく厚生労働省が示す「国民健康・栄養調査(令和元年)」では、30~39歳の男性の摂取量平均値は236mg、30~39歳の女性では205mgで不足気味となっていることがわかります。また40~49歳で見ると、男性は251mg、女性は219mgでやはり不足気味となっていることがわかります。
これらの結果から、日本人はマグネシウム不足傾向にあると言えるでしょう。
マグネシウムが不足しがちになる理由
マグネシウムが不足しがちになる理由には、戦後の食の欧米化が関係しています。戦後以降、これまで主流であったマグネシウムをよく含む大麦や雑穀などの摂取が激減し、高脂肪・高カロリーな料理の摂取が増えたことが、マグネシウムが不足しがちになっている原因の1つと考えられます。
また、外食やファストフードの利用が増え、塩分を摂りすぎることで体内のマグネシウムが排出されやすくなったことも一因と言われています。
マグネシウムを多く含む食材とは
ここからは、穀類、藻類、魚介類、野菜類、豆類を例に挙げ、それぞれの食品のマグネシウムの含有量とおすすめの摂取法を紹介します。毎日の献立作りの参考にしてくださいね。
(データ引用:文部科学省-「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」)
①穀類のマグネシウム
穀類とは、植物の種子部分を食用とする食材です。代表的なものとしてお米(玄米・五穀・麦芽米)などがあります。ここでは私たちの食事でよく食べられている穀類のマグネシウムの含有量とおすすめの摂取方法を紹介します。
・含有量はどのくらい(可食部100g当たりの成分量)
・発芽玄米:53mg
・ライ麦パン:40mg
・そば(ゆで):27mg
・ぶどうパン:23mg
・マカロニ・スパゲッティ(ゆで):20mg
・おすすめ摂取方法
穀類は私たちの食生活で主食として根付いている食品です。ごはんやそば、スパゲッティなど毎食の主食として取り入れましょう。
②藻類のマグネシウム
藻類は、昆布やわかめ、のり、あおさなど水中で生育する植物の総称です。藻類のマグネシウムの含有量とおすすめの摂取方法を紹介します
・含有量はどのくらい(可食部100g当たりの成分量)
・あおさ(素干し):3,200mg
・あおのり(素干し):1,400mg
・乾燥わかめ(素干し):1,100mg
・ほしひじき(乾):640mg
・カットわかめ(乾):460mg
・おすすめ摂取方法
風味豊かで、汁物や副菜などのさまざまな料理に使える藻類は、みそ汁や和え物などとして食べるのがおすすめです。
③魚介類のマグネシウム
魚介類は刺身としてそのまま食べたり、煮たり焼いたりと料理のレパートリーも多く、食卓に馴染みの深い食材です。魚介類のマグネシウムの含有量とおすすめの摂取方法を紹介します。
・含有量はどのくらい(可食部100g当たりの成分量)
・干しえび(加工品):520mg
・しらす干し(半乾燥品):130mg
・あさり(生):100mg
・はまぐり(生):81mg
・きんめだい(生):73mg
・おすすめ摂取方法
魚介類は、洋食や和食などどんな料理にも使いやすいマルチな食材。焼く・蒸す・お刺身などの好みの方法で主菜として食べるのがおすすめです。
④野菜類のマグネシウム
野菜類も私たちの食生活には欠かせない食材です。野菜類のマグネシウムの含有量とおすすめの摂取方法を紹介します。
・含有量はどのくらい(可食部100g当たりの成分量)
・千切りだいこん(乾):160mg
・らっかせい(生):100mg
・ほうれんそう(生):69mg
・えだまめ(生):62mg
・ごぼう(生):54mg
・モロヘイヤ(生):46mg
・おすすめ摂取方法
野菜は1日350g以上摂ることが推奨されています。熱を加えてかさを小さくして食べやすくすることもおすすめです。
⑤豆類のマグネシウム
主菜や副菜、汁物など多くの食べ方ができるのが豆類です。豆類のマグネシウムの含有量とおすすめの摂取方法を紹介します。
・含有量はどのくらい(可食部100g当たりの成分量)
・きな粉(黄大豆):260mg
・油揚げ(生):150mg
・蒸し大豆(黄大豆):110mg
・糸引き納豆:100mg
・木綿豆腐:57mg
・絹ごし豆腐:50mg
・おすすめ摂取方法
みそ汁の具材や冷ややっこ、湯豆腐などへの使用がおすすめです。
マグネシウムは骨や神経の調整などに必要な栄養素です。しかし、現代人は戦後の食の欧米化によって、マグネシウムが不足しがち。そのため、厚生労働省が定める推奨量を意識することが大切です。マグネシウムは魚介類や藻類、豆類、野菜類などに多く含まれています。食べ方を工夫して、毎日の食事に意識して取り入れましょう。