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肝機能のことを考えた食事とは?肝臓の数値が気になる方に
更新日:2024/07/23
肝臓の働きとは?
人間の体の中では、代謝というさまざまな生化学反応が起こっているのをご存じでしょうか。
私たちは、食べ物から栄養を補給して生きています。食べたものは、いろいろな酵素によって消化され、栄養素となって主に小腸から吸収されます。小腸から吸収された栄養素は、門脈を通って肝臓に入ります。
肝臓では、いろいろな化学反応が起こり、栄養素は体の各部位に必要な形に作り変えられ、全身へ送り出されます。また、肝臓は栄養素を貯蔵する働きもあります。そのため、糖質を摂り過ぎると肝臓にたまってしまいます。
肝臓では、体を作るための材料であるたんぱく質の代謝が行われています。肉・魚・卵・大豆などのたんぱく質を含む食品を食べると、消化器官でアミノ酸に分解され、肝臓に運ばれます。肝臓に運ばれたアミノ酸は一部が必要なたんぱく質に合成され、血液を通って全身へ送られます。
また、肝臓では糖質の代謝をおこなってグリコーゲンに変えて貯蔵し、必要に応じてエネルギーの材料となるブドウ糖などの糖質に転換して全身に送り出しています。食べ過ぎて過剰になった糖分は、脂質に作り変えられて肝臓に貯蔵されてしまいます。
ほかにも肝臓には、脂質やたんぱく質から中性脂肪などコレステロールを作る役割、アルコールなど有毒物質を解毒する役割、胆汁を作る役割などがあります。このように、肝臓は、私たちが生きるために必要なさまざまな働きを担っている大事な臓器です。
しかし、不規則な生活リズムや乱れた食生活、飲酒などは肝臓に負担をかけてしまいます。
肝機能の数値が気になる方は、まずは毎日の食事から少しずつ見直してみませんか?食生活を通した肝臓をいたわる方法について、一部ではありますが解説していきます。
病気がみえる vol.1 消化器 第6版、メディックメディア、2020
国立循環器病センター病院:栄養に関する基礎知識
http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/diet/diet01.html(2021年6月8日閲覧)
健康診断、人間ドックの血液検査でわかること
健康診断や人間ドックの血液検査でわかる内容のうち、肝機能に関する項目は「AST(GOT)」「ALT(GPT)」「γ-GTP」です。これらは肝臓の中で働く酵素で、肝臓がダメージを受けた状態になると血液中に出てくるため、肝臓の健康状態を示す指標となります。
なお「AST(GOT)」は「アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミラーゼ)」、「ALT(GPT)」は「アラニンアミノトランスフェラーゼ(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミラーゼ)」、「γーGTP」は「(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)」と呼ばれます。
「AST(GOT)」や「ALT(GPT)」はアミノ酸の代謝にかかわる酵素です。「γーGTP」は、肝臓で解毒などの作用をもつグルタチオンという抗酸化物質の分解にかかわる酵素です。なお、これらの検査値は肝臓のダメージ以外にも影響を受けるため、その値が変化しても必ずしも肝臓が原因とは限らないことに注意が必要です。
肝臓はダメージを受けても、症状を感じにくい臓器です。そのため、健康診断や人間ドックの血液検査で、定期的に状態を確認していくことが大切です。
どのような人が肝機能の数値を気にするべきか?
それでは、どのような人が肝機能の数値を気にするべきなのでしょうか。
肝機能の数値が上がるということは、肝臓に負担がかかっている可能性があります。
その要因の一つとして考えられるのが、たんぱく質・脂質・糖質・アルコールなどが必要以上にたくさん流れ込んでくることです。その結果が、血液検査に表れてくるのです。
例えば一部の要因をご紹介します。
1.特定の食べ物を摂り過ぎる
好きな料理が肉料理・インスタント料理、油っこい料理などに偏っている場合、エネルギーや脂質の摂り過ぎになっている一方で、野菜の摂取が少なくなっている可能性があります。
また飲み会や晩酌など、日常的にアルコールの摂取が多い場合は、アルコールを解毒するため肝臓に負担がかかっています。
2.不規則な睡眠や睡眠不足
日勤と夜勤が混合の仕事や、寝る時間が不規則な人、食事時間が不規則な人は、食生活の乱れにつながりやすくなります。睡眠が不足すると、食欲が増してしまうことがわかっています。また、夜間には、脂肪を貯蔵して分解を妨げるたんぱく質が活性化するため、食事を摂るのはなるべく避けたほうがよいでしょう。
このように肝臓に負荷がかかると、肝機能の数値に影響を及ぼします。そのため、肝機能の数値が気になる場合は、肝臓にかかっている負担を少しでも軽減して、肝臓を休ませることを目指してみてください。
肝機能に配慮するために、気を付けたい食事のポイント~肝臓に良い食べ物とは~
肝機能の数値のことを考えると、食事を見直し、肝臓にやさしい食事の摂り方を心がけることが大切です。
日常的に必要量以上に食べている人は、個人の適正量に合わせた食事にすることが大切です。簡単な目安としては、体重が増え続けている人は食生活に注意が必要です。食べる量や食事の内容を見直し、よく噛んでゆっくり食べましょう。
日常的にアルコールを飲む人は、アルコールの解毒で肝臓に負担をかけています。週に2日以上は飲まない日「休肝日」を作ることが理想です。アルコールの飲む量を減らすことも考えましょう。
腹囲が男性85㎝以上、女性90㎝以上の人も食生活に注意が必要です。 肝臓では必要以上に摂り過ぎた糖分は中性脂肪に作り変えて蓄えられてしまいます。ごはんなども糖質ではありますが、消化吸収に時間がかかる複雑な糖質です。しかし、甘いお菓子やジュースなどの単純糖質は消化吸収が早いため、食べている量を見直して控えましょう。
LDL-コレステロールが高値の人は、食生活が肉料理や揚げ物に偏っている可能性があります。週の半分は魚料理を入れ、野菜の摂取量を増やしましょう。
肝機能を意識した食事とは?
肝機能を意識した食事とは、基本的に「バランスの良い食事」となります。
「バランスの良い食事」とは、主食(ごはん、パン、麺)と主菜(肉・魚・卵・大豆製品)と副菜(野菜、きのこ、海藻)が毎食そろった食事です。定食のように一汁三菜であると理想的ですが、丼料理は「主食+主菜」の組み合わせなので、副菜を1品組み合わせれば、バランスがよくなります。
毎回食べる時に、食事を眺めて「主食+主菜+副菜」が入っているか、チェックしてみましょう。
【主食】ごはん、パン、麺
原材料を見ると、ごはんは米、パンと麺は小麦が大半です。米と小麦は同じ糖質の食材ではありますが、米は消化吸収がゆっくりで、血糖値の上昇が緩やかです。また、腹持ちがいいのが特徴です。さらに玄米や雑穀を加えると、多くの食物繊維やビタミン・ミネラルも摂取できます。パン・麺は消化吸収が早いので、食べる時はよく噛んでゆっくり食べましょう。
【主菜】肉・魚・卵・大豆製品
主菜は、たんぱく質を含むおかずです。肉・魚・卵・大豆製品は良質たんぱく質と呼ばれています。たんぱく質は、皮膚や筋肉を作るのはもちろんのこと、臓器を作る材料にもなります。ダメージを受けた肝臓を修復するためには、良質なたんぱく質を摂ることも大切です。できるだけ、肉・魚・卵・大豆から料理するおかずを食べましょう。
【副菜】野菜・きのこ・海藻
副菜に含まれる主な栄養素は、ビタミン・ミネラルと食物繊維です。肝臓はいろいろな栄養の吸収・分解を行う上で、ビタミン・ミネラルが必要です。食事からしっかり取り入れましょう。
食物繊維は、腸から栄養素を吸収する時に、余分な糖や脂質の吸収を妨げ、吸着して便として排出してくれる働きがあります。ただし、野菜の中でも漬物は塩分を多く含みますので、サラダや煮物・炒め物などで摂取することをおすすめします。野菜の摂取は、厚生労働省から「1日350g」と言われています。副菜のおかずで考えると、1日3~5皿が目安になります。毎食1品以上の野菜料理が入るよう、意識しましょう。
以上のように、食生活の見直しをすることは、肝臓の働きを助けたり、肝臓を守ったりする働きに繋がります。それを日常の食生活に取り入れることも一つの方法です。
クルビサの紹介
今まで説明してきたようなさまざまな要因で、肝臓の炎症や酸化ストレスが引き起こされ、肝臓がダメージを受けます。肝臓がダメージを受けると、肝細胞からAST、ALTなどの酵素が漏れ出て血中に移行し、血中の酵素値が上昇します。
クルクミンとビサクロンは、肝臓の炎症や酸化ストレスを抑制すること(※1)(※2)(※3)によって、健康な人の血中の酵素値を改善すると考えられています。
ポリフェノールの一種でもある「クルクミン」は、鮮やかな黄色をもった秋ウコンの色素成分で、カレーの着色などにも使われています。秋ウコンはショウガ科の熱帯性植物で、クルクミンは秋ウコンの根茎に含まれます。
新たに注目されているウコンの成分である「ビサクロン」は、秋ウコンの全体の3~5%にあたる精油成分にごく微量に含まれます。クルクミン以外にも、この「ビサクロン」が、ウコンにとって重要な成分であるということが、最近の研究によってわかってきました。
肝臓は無言の臓器といわれます。その肝臓を大切にすることが、健康寿命を延ばす一つの方法になるかもしれません。
(※1) V. P. Menon and A. R. Sudheer, “Antioxidant and anti-inflammatory properties of curcumin,” Advances in Experimental Medicine and Biology, vol. 595, pp. 105–125, 2007.
(※2)D. I. Sun, I. T. Nizamutdinova, Y. M. Kim, X. F. Cai, J. J. Lee, S. S. Kang, Y. S. Kim, K. M. Kang, G. Y. Chai, K. C. Chang, and H. J. Kim,“Bisacurone inhibits adhesion of inflammatory monocytes or cancer cells to endothelial cells through down-regulation of VCAM-1 expression,” International Immunopharmacology, vol. 8, pp. 1272–1281, 2008
(※3)I. A. Leclercq, G. C. Farrell, C. Sempoux, A. dela Peña, and Y. Horsmans, “Curcumin inhibits NF-kappaB activation and reduces the severity of experimental steatohepatitis in mice,” Journal of Hepatology, vol. 41, no. 6, pp. 926–934, 2004.